kazu1船歴判明瀬戸内海仕様の船だった!知床仕様との違いは何?

kazu1船歴判明 瀬戸内海仕様の船だった知床仕様との違いは何 ニュース
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北海道の知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU1」が沈没し、多くの犠牲者が出ました。

犠牲になられた方々にはお悔やみを申し上げます。

今回は「kazu1」の船歴や船の仕様について考えます。

事故発生から数日が経ち、色々な情報が集まってくる中で「KAZU1」はかつては瀬戸内海で片道30分ほどの定期航路で使われていた船であることがわかりました。

この記事では、kazu1船歴判明瀬戸内海仕様の船だった!知床仕様との違いは何?ということで、瀬戸内海で使われていた「kazu1(ひかり八号)」が知床で使われるようになった経緯。

そして瀬戸内海使用の船と知床使用の船の違いについて徹底調査の上お届けしてまいります。

 

kazu1船歴判明瀬戸内海仕様の船だった!

kazu1は元々は波が穏やかな瀬戸内海のいわゆる平水区域で旅客船として使われていた船であることがわかりました。

kazu1は2004年までは岡山県備前市日生町(当時は和気郡日生町)の会社の所有で、船籍は備前市の港でした。

そして、平成17年(2005年)に有限会社知床遊覧船に売却されたことが分かりました。

この船は当時は「ひかり八号」と呼ばれていて、広島県三原市の三原港と沖合10 km ほどにある尾道市の生口島を約30分で結ぶ定期航路で使われていたそうです。

1985年に山口市の造船所で作られた船体で、今年で37年目になります。

普段あまり考えることはありませんが、船の寿命ってあるのでしょうか?

あるとしたら何年なのでしょうか?

 

船の寿命の目安は約15年!

船舶の構造強度計算においては20年を想定寿命として考えられている場合が多く、一般的にはそれよりも早く15年寿命を目安としているそうです。

あぁ、そんなもんなんですね、意外と短いと感じますがいかがでしょうか?

しかし実際には、10年を待たずして廃船となるものもあり、あるいは50年以上稼働する船もあります。

廃船の決定要因は造船からの年月で規定されているものではなく、船主の決定によることとなっています。

船齢だけで船の寿命を判断することはなく、旅客船であれば毎年国の検査を受けているので問題はないようです。

要するに、修理しながら安全に航行できるのであれば、修理しながら使うか新船にするかの費用対効果の判断によってはしゃぶり尽くすまで使うこともできるわけです。

しかしながら、設計時の強度計算が20年間を想定寿命として考えられていることからすると、37年を経過した「kazu1」はかなりの老体であったことがうかがえますね。

※参考文献:船舶の寿命に関する基礎考察

 

FRP船の耐用年数は約24年

「kazu1」の船体はFRP であったことが分かっています。

我が国では FRP 漁船の廃船処理に関する研究において、寿命と耐用年数を推定した結果、寿命は62年以上、耐用年数は約24年と見積もられました。

耐用年数の約24年に対して「kazu1」の使用期間37年はあまりにも長かったといわざるを得ません。

参考文献:FRP漁船の寿命と耐用年数

 

知床仕様との違いは何?

航行区域

ヨットで太平洋を横断できるくらいですから、手続きさえ踏めば船のサイズの違いで操船できる海域が変わることはないようです。

旅客に用いる船舶では海域によって備える装備に違いが出てきます。

主に乗客の安全に係る装備について詳しく見ていきましょう。

旅客船で旅客定員が12人を超え、5トン以上の船舶を条件に比較します。

 

法定備品 平水区域 沿海区域(5t以上)
小型船舶用膨張式救命

いかだ又は救命浮器

定員の50% 定員の100%
小型船舶用救命胴衣 定員と同数

※1:TYPE-A,B,Cのいずれか

定員と同数

TYPE-Aに限る

小型船舶用救命浮環または浮輪 1個 2個
信号紅炎 1個
小型船舶用自己点火灯 1個
小型船舶用自己発煙信号 1個
小型船舶用火せん 2個
発煙浮信号 1個
小型船舶用 EPIRB 1個
小型船舶用レーダー・トランスポンダー(SART)

又は

小型船舶用捜索救助用位置指示送信装置

(AIS-SART)

1個 1個
無線電信又は無線電話  1個 1個
小型船舶用粉末消火器又は

小型船舶用体消火器

2個 4個
赤バケツ 1個 2個

参考文献:小型船舶用法廷備品一覧表

【ライフジャケットタイプの比較】 ライフジャケットの条件
ライフジャケットTYPE-A
  • 黄色やオレンジ色で海で発見されやすい色
  • サーチライトを反射する反射板がついている
  • 存在をアピールする呼笛がついている
  • 7.5kg以上の浮力がある(小児用は5kg)
type-A
ライフジャケットTYPE-B
  • TYPE-Aの反射板の条件が省略されたもの
ライフジャケットTYPE-C
  • 笛及び反射板の条件が省略されたもの

前述のように、「kazu1」が以前航行していた瀬戸内海は平水区域です。

それに対して今回事故のあった区域は沿岸区域といって、上図の水色の部分にあたり、沿岸から5海里(9.26km)以内となります。

今後検討が必要なのは、今回のように海水温の低い海域で遭難して海に投げ出された場合でも生き残るには何が必要かということだと思います。

参照資料:航行区域参考図(pdf)

 

瀬戸内海時代と知床時代の目で見る違い

瀬戸内海時代のフロントデッキ

瀬戸内海時代のひかり八号と知床時代のkazu1を比べると、明らかに違うのがフロントデッキに追加された安全柵ですね。

また、瀬戸内海で昔この船に乗ったことのある人の証言では、ブリッジの後ろの後部客室の上にデッキが増設されていたということでした。

 

kazu1船歴 まとめ

ウトロ港

kazu1船歴判明瀬戸内海仕様の船だった!知床仕様との違いは何?をお届けしましたがいかがでしたか?

筆者は2016年6月に北海道旅行で知床のウトロ港が見えるホテルに一泊し、朝出港する遊覧船を見送ったことがあります。

その時は、船には乗らなかったのですが、まさかその時見た船が今回のような事故を起こすとはねぇ。

瀬戸内海で運行していた船が引退して、日本海や東北で活躍している例はたくさんあるそうです。

40年経っても適切な管理さえしていれば問題はないようです。

きちんとした、適切な管理をしていれば・・・ですが。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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